暦の上では立秋ですが、博多は暑い日が続いております。
さて、写真の太鼓ですがどちらも海外製の張り合わせ胴の太鼓です。
台に乗せてある太鼓は、当店で張り合わせ胴の見本兼、貸し出し用として活躍しております。大きさは2尺です。
問題は手前の太鼓です。
胴のフチが広範囲にわたって欠けております。
両面ともにです。
波打っているのがお分かり頂けますでしょうか?
反対側の面です。鋲のすぐ上の部分まで欠け落ちております。
太鼓を動かすたびに、中で破片がゴロゴロ音を立てます。
板を置いてみました。右側の欠けていない部分は隙間がありません。
こちらは当店の太鼓です。ずっと倉庫に置きっぱなしにしていた物を、数年前に革を張替え、張替え修理期間中の代わりの太鼓としてお客様にご利用頂いております。県内外の神社でもお使い頂きました。
問題の太鼓ですが、実は当店で15年前に張替え修理をしております。
当時は県内の中学校の道場用として使用しているとのことでした。
もちろん、このようなひどい状態ではなかったので修理をお受けしたと思います。
今回は楽器店様からのお持込で戻ってまいりました。
もともと、くり抜き胴に比べて耐久性が弱い張り合わせ胴の太鼓です。
たとえ時間と費用をかけて修理をしたとしても、同じ使われ方をすれば、すぐに破損してしまいます。
張替え代金+胴の修理費用に少し加えれば、大きさは小さくなりますが新調も可能ですとお伝えして、修理をお断りさせて頂きました。
15年間酷使されたようです、太鼓がかわいそうです。
ご注意ください。くり抜き胴の太鼓でも長年にわたってフチ打ちをしていると、フチの潰れ、割れ、欠けにつながります。