運動会の季節ですね。本番前に市内の小学校、中学校からの修理のご注文です。
が、しかし、あまりにも直前のため間に合いません。今回は貸出し用の太鼓で対応させていただきました。
左の太鼓は16年前に私が革を張った太鼓で、右の太鼓は17年前に私が張替えをした太鼓です。久しぶりの再開です。
左の太鼓ですが気になる点がひとつ。チョークで印を付けてみました。
フチを叩いているせいで真ん中の線より右の部分が丸くつぶれてきています。
内側から見るとこのように木が押しつぶされてきています。
分かりづらいかもしれませんが、同じく革もこのように真ん中の線より右のフチの部分が白く磨耗しています。このままフチ打ちを続けるとこの部分がすり切れて中の木が見えてきます。
学校に太鼓を引き取りに伺った際、現在お使いのバチを見せていただいた所、樫の木のとても硬いバチでした。これでは太鼓が負けてしまいます。
やわらかい材質のバチでフチ打ちをすると、すぐにササクレたり折れたりしてバチが痛んでしまいます。そこで、「じゃあ硬い材質のバチを使おう」となるようです。
フチ打ちは間違いなく太鼓の寿命を短くします。フチの部分の木が丸くつぶれていくと革の張りも緩んでしまいます。最悪フチの部分の木が欠けてしまいます。
また硬い材質のバチは、革、胴ともに太鼓にかかる負担が大きくなります。
できることなら、バチは消耗品と考えて、やわらかめの材質をお使いいただき、どうしてもフチ打ちをする場合は力を加減してなるべく太鼓に負担がかからないような叩き方を心掛けていただきたいと思います。