長崎県松浦市からの修理のご依頼です。当店での作業は初めてのようです。革を外すとご覧のように欠けた部分が修理されておりました。もう片面もあわせて3ヶ所。
過去の張替えの際に修理されたものですが、ぐらつき及び虫食いがあるため再度修理し直します。この欠けた部分に新たに木を継ぎ足して修理します。
こんな感じです。
もう片面の欠けた部分もこんな感じで修理しました。
持ち手金具も新しく付け替えました。
こんな感じに仕上がりました。
こちらの太鼓の中には、大正8年(1919年)、昭和28年(1953年)に張替え修理をした墨書きがあります。製作されてから100年以上になると思われます。
太鼓の寿命、とりわけ革に関しては使用頻度や環境によって差はありますが、くり抜きの胴に関しては一生ものと言っても過言はありません。
たとえこのように欠けた場合でも大抵の場合修理が可能です。
最近は驚くほど低価格の太鼓も市場には出回っているようです。
果たしてそのような太鼓が同じような耐久性を持ち合わせているかどうかは?マークが付きます。
先日も張り合わせタイプの太鼓が修理に持ち込まれましたが、あまりにも胴の痛みが激しく修理不可能でお断り致しました。
ぜひ太鼓のご購入をの際には、その後の耐久性、維持、メンテナンスのことも考慮して、決して使い捨てという最悪の事態を招かない為にも慎重にご検討いただければ幸いです。
当店では、手がけた太鼓が永遠に受け継がれて行くことを願って、10年、20年、またそれ以上先を見越した太鼓作りを心がけております。